大阪府の財政状況

匿名ダイアリーの大阪府の府債残高などを記した投稿に対してついたブクマに、「特別な借金を除いた実質的な残高で言えば」確実に減ってきているとする知事のコメントへのリンクが出ています。

http://anond.hatelabo.jp/20120119083706
http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20120119083706

次の記事のグラフ1というのがそれにあたりますが、グラフの起点が26,000になっていて全体では一割も減っていないのが半分以下になっているように見えるグラフになっています。この作者は学校で統計学を真剣に学ばなかったのでしょうが*1、悲しいことに、新聞やテレビでもよく見かける類の間違いです。

http://www.pref.osaka.jp/koho/chiji/20110510_husi.html

実は大阪府の府債残高については次のページで確認できます。

平成20年度以降、確かに実質府債残高が減少しているのがわかります。ただ、なぜ知事コメントではあえて普通会計を使っているのかはわかりません。また、実質収支の推移と合わせて考えると、実質債務残高のピークは収支改善の努力が実る前年度である平成18年度とする方が自然に思えます。

もう一点、平成20年度に財政規模が拡大していることが読み取れますが、これがどのような要因によるものかはよくわかりません。地方交付税交付金の増額によるのは間違いないようですが、基準需要額の算定方式の変更でもあったのでしょうかねぇ。

*1:あるいは意図的に読者をミスリードしようとしている可能性もあります。